そのまま数秒間、きまずい空気の中見つめあった後、静かに腕から手を離された。




「あっそ。」







興味なさそうにそれだけいうと、ゼロはこっちに背を向け、元来た方へと戻っていった。






私はその姿を見送ることもなく、見慣れた東京の景色を頼りに、自分のマンションへと飛んでいった。






とりあえず自分のマンションを見つけると、カーテンの柄と、それから自分の部屋のカーテンのちょっとの隙間を頼りに、ようやく自分の部屋のベランダに飛び降りることができた。







えと・・・・





とりあえず飛び降りてみたはいいものの、羽のしまい方が分からない。





でも確か、サラちゃんにあの日、教えてもらったような気も・・・


そう重いながら記憶をたどっていくと、確かにあの地下でサラちゃんが言っていたことを思い出した。





そっか、クロスのネックレスをまた握れば元の姿に戻るんだっけ。






とりあえず、一か八かで、ネックレスを握ってみた。