分かりきったような声で返してくる目の前のやつがとたんに憎たらしく見えてきた。



なにそれ、なにその言い方。




確かに、なにもしてあげられることはないかもしれない。





でも・・・


それでも・・・


あんなにあの二人は幸せそうにしているんだよ?


明らかに愛し合っているっていうのに・・


そんな・・


ひどすぎるよ。





そんなことを思うと、また涙があふれてくる。




人の寿命なんて、見たくもない。





そんなのリアルすぎて、見れるわけがない。





「もういい加減にしろよ、いつまでも泣いてるとまじでノルマ達成できなくなんぞ?


いちいち動揺しててもキリがないから、とりあえずさっきのことは忘れろって。


お前がノルマ達成できなくて消されたら新しいパートナーを探さなきゃなる俺の身にもなってみろよ。」




そのゼロの感情のこもっていない発言で、なにかカチンときた。



「・・・・。最悪。」


ボソッとつぶやくと


「あ?」


と不機嫌そうに言い返してくる。



「だから、あんたってさっきからほんと最悪!

心っていうもんはないの?

何、悪魔ってそういうもんなの?

周りのやつらがどんどんいなくなっても平気なわけ?どんだけ心が冷たいの?!」




キッとゼロのほうをにらむと、あの変なめがねをはずしてそいつに投げつけてやった。



いとも簡単にそれをよけられる。






「もういい!帰る!二度と任務とか意味分からないことやらない!

勝手に新しいパートナーでも探して二人で人間のことをあざ笑いながらやってればいいでしょ!


私はそんなことできないし、

心がない悪魔なんて、絶対にならない。」