ドカドカと、いつも愛らしかったのに今は般若にしか見えない弟が近付いてくる。



俺は身を固め、しかし表面上は親しげなえが──




ガツッ




…お?




「イタタタタタタタ!!ちょ!!足のお行儀が悪いぞ悠斗!!」

「あン?」

「アイタタタタすねはやめて!アタタタ足の親指もやめてえええ!」




こいつ俺の弟?ねえ?



血縁関係を疑いながら、俺は悠斗に敷かれていた足を引っこ抜く。



決めた。今日の夕飯は、悠斗が嫌いな辛口カレーにしてやろう。



地味な仕返しを胸に誓い、俺は背筋を直して、女子生徒らに軽く笑顔を向ける。




「何色気づいてんだ。アァ?」ごめんなさい我が弟。