俺は仕方なしに、ふてくされてソファーに全体重を預ける。


アンティークっつーのか何つーのか、とにかく必要最小限の家具だけが備えられている。


ただ…足りないのは──。




「なあ悠斗…。」

「外食なんざ行かねえぞ。」

「………。」




俺は、ふっとため息をついた。悠斗は相変わらず無愛想に、テレビに目を向け、チャンネルを引ったくって点ける。


しばらくの間。


俺の小さなうなり声が、だんだんと大きな叫びに変わる。




「──悠斗っ!!兄ちゃんは悲しい!悲しいぞ!」

「勝手に悲しんでろ。」

「唯一無二の家族なのに、なぜ大切にしない!いや、なぜ構ってくれない!?」

「うぜえ!!」