今さら納得してむなしい気分になりながら、俺は菜月チャンと目を合わせる。


黒い純な髪が揺れもせずに、ニコリと笑みを投げられた。

ああ、この子…




「小悪魔だ。」

「だろ?」

「悪魔と言われないだけマシですが……お兄さん〝にも〟言われちゃいましたね。」


にも?


「私、よく言われるんです。小悪魔だって。」




……………。

可愛い顔して、なんてSなんだっ…!ずるい、ずるいぞ!


「あーあ…。」

「どうした…悠斗。」

「まじで、嫌だったんだよ。兄貴に〝見つかる〟の。」