弟は、馬鹿にしたように笑い、だが兄はきちんと照れた所だけは見逃さなかった。


俺はニヤリと笑む。




「彼女出来たァ?」


「どうでもいいだろハゲ」


「ひでぶ」




参考書で後頭部を叩かれた。コイツは俺に似て運動神経が良い。だが、女慣れは俺が父親似、悠斗は母親似であった。


つまり、俺はタラシ、悠斗は生粋の恋愛初心者。


…だったんだが。




「誰だ!!一切なびかなかった弟を、こんなに落としてしまったのは!!誰だ、出てこい!」


「うるっせえぇんだよバカニキ!!」