彼女と話して収穫はあった。やっぱりコミュニケーションは大事だよね。
彼女が何故非ロマンチストなのか。
それは彼女が自分の恋心に自覚した事がないからだ。
俺のことを好きなのにその自覚がない。だから、俺にも冷たくしてしまうんだ。そうだと分かれば、彼女が俺にツンしか感じなかった点も、人を好きになった事がないって言った点にも頷ける。
成程、そういうことだったのか。だったら話は簡単だ。
「いつか日向が俺の事を好きだと分からせてあげるから」
日向に俺を好きだと自覚してもらえば良い。そして、人を好きになる楽しさを知ってもらえば良い。
「それ、何の解決にもなってませんから。先輩に相談した私が馬鹿でした」
それだけ言うと、彼女は壁に掛かっている時計の針を確認する。
そして彼女はにこやかな笑顔で言うのだ。
「先輩、30分経過しましたよ」
「あのさ、最近思うんだけど当初の勉強計画では1時間まで家にいてオッケーだったよね?」
「それがどうかしましたか?」
「何で滞在時間20分過ぎたら10分毎に経過報告するの?」
「その方が、先輩が早く帰宅してくれるかと思いまして」
そう言われて帰っちゃう俺も俺なんだけどね。
今日は日向との温度差の要因が分かって気分が高揚してるので帰る事にした。


