どうやら逆に彼女に気を遣わせてしまっているようだ。それなら、意味が無い。
俺は彼女にそんな事を思わせるためにバラの花を贈ってたわけじゃない。
「分かった、もう止める。――コレで悩みは解決した?」
「――私には全然分かりません」
微笑んで尋ねてみれば、彼女は俺から少し視線を逸らし、ポツリと呟いた。
たとえ、彼女の瞳に俺が映っていなくても、彼女が自分の事を語ってくれるのは中々稀な事なのでとても嬉しく感じる。――結構、末期かもしれないな俺。
「愛想も良くなければ、考え方はまるで正反対。一緒に居て何が楽しいんでしょうか?――私よりも素敵な人はたくさん居るはずなのに…どうして私に構うのか全然納得出来ません」
日向はおバカさんだよなぁー
「そんなの、日向が好きだからに決まってるでしょ」
「そこが分からないと言ってるんです」
まさかの俺の告白は、彼女にピシャリと撥ね退けられてしまった。


