俺の彼女は鉄壁女子だ。
なかなか俺を彼女の中に踏み込ませてはくれない。
いや、相思相愛だって事は分かるんだけど。ちょっとだけ俺の方が愛が強いって事もわかるんだけど。それでももう少しイチャイチャしても良いと思う。
家にお呼ばれされて、手も繋いで、(百均ショップばかりだけど)デートもして、キスもした。
大丈夫、きちんと手順は踏んでいる。後は彼女の心をもう少し傾かせるだけだ。
「ねぇ、日向。日向って何か悩んでる事ある?」
まずは彼女と語らう事にした。うん、家にお呼ばれして情事に及ばないなら勉強だけじゃなくこうして楽しいお話をしなければ何の意味も無い。本日からリビングに居るおかげで日向との至近距離でもかなり耐性が出来ているようだ。
やはりここは日向より1年長く生きている俺が的確なアドバイスをしてやろうじゃないか。
「そうですね…あるにはありますよ」
意外だった。彼女が俺に悩みを言ってくれると言う事が。


