「どーしても奢られるのは嫌?」
「しつこい。嫌です」
「…そうか、じゃあお金のかからない所なら良い?」
「百均なら良いです」
…仕方ない。
彼女の結局の妥協の余地はここまでなのだ。
でも、これだけツンツンしてても百円ショップに居る時だけは目を輝かせて俺が隣に居るのにガン無視で繋いでいた手は振りほどかれて商品眺めてるんだ。
幸せそうだからまぁいいか…とか思ったりするわけで。
俺っていつからこんな安上がりな男になってしまったのか。
「じゃあ、いつもの百円ショップへ行きますか」
そう言って彼女の手を強引に握る。
コレはいつもの事なので彼女は何も言わない。
言ったところで俺が彼女の言い分を聞かない事が分かっているからだ。
いつも負ける俺でも、ここはお弁当交渉同様しつこくやれば彼女が折れてくれた。
あぁ!なんて理解力のある彼女なんだろうね。


