やがて静寂があたしの質素な部屋に訪れる。 「……もう寝たの?」 煙草の火をもみ消してゆっくり近づいてみた。 安心しきった寝顔はまるで子犬みたい。 あたしは遥の長い睫を見つめて、茶色のサラサラな髪を丁寧に撫でる。