少年はニコリと癖のある愛らしい笑顔をみせて、ストンとベッドから起きあがった。 そして、細い指でシュルリとあたしからライターを奪い慣れた手つきであたしの煙草に火をつけた。 「よろしくね」 と水晶のように綺麗な瞳で言ったので、あたしは紫煙の向こうで揺らぐ彼の姿を目を丸くして見つめるしかできなかった。