ハハ。何言ってんだコイツ。 「鳴いてみてよ」 「わんわん」 「お手」 遥はちょこんとあたしの右手に自分の丸めた手を乗せた。 「ね?犬でしょ?」 そうね。 犬だね。 だからもっと鳴いてよ。 もっと傍にきてよ。 「いい子いい子。よくできたね」 だからもう此処から出ないで。 忠誠を誓って。