実は、さえのお母さんは住所を教えてくれなかった。
自分も、さえのことばっかで頭がうまっていて、そこまで考えていなかった。
今になって気づいてしまった。僕はバカだなと思った。
だから、僕はさえを探す。しかし、どこの県にいるのかもわからない。
だから、前パソコンで見たさえの載っているページを見直してみた。
すると、「ファンレター先はこちら」というところがあったので押した。
そうしたら、事務所であったが、住所が書いてあった。
東京らしい。ちょっと遠いかな。だけど、1日もかかるような場所じゃないから、探そうと考えた。
そろそろ冬休みだということをおもいだした僕は、本当は待っていられないが、その冬休みをつかって探しにいこうとおもった。

ついに冬休みがやってきた。
僕は、東京へ探しにいった。とりあえず、事務所の方に電話をしてみた。
「すみません。さえさんに会いたいんですけど。」
「何を言ってるんですか?いいなんていうわけないじゃないですか。」
「僕、さえさんと同じ学校で同じクラスの人なんです」
「よくいるのよ、そうやって会おうとするひと。そういうの本当に無理なので。さようなら。」
プ-、プ-、プ-。
やっぱり無理か。
そう諦めていたそのときだった。
目の前を通った車の中に、さえに似ている人が乗っていたのだ。
とりあえず、その車を追うことにした。しかし、車は断然早いので追いつくことができなかった。
だが、僕は諦めない。
とりあえず、まっすぐ進んでみたりして探し回った。
しかし、結局見つけることはできなかった。だけど、今日は東京に泊まることにしているから、宿にいって休んだ。
ここにさえがいれば・・・。一人だからすんごく寂しい。そんな一夜をすごした。

次の日、僕は早めにホテルを出てさえを探しに出かけた。しかし、やっぱりすぐに見つかるわけもなかった。
そうしたら、またしてもさえに似ている人が載っている車を見かけた。その車は丁度信号につかまったから、それを利用して急いで追いかけた。
運よく追いついたので、チラチラ車を見た。すると、本物のさえだった。あの可愛いかお、横顔、髪など、全部がさえだ。
そう思っていたら、信号が青になってしまった。僕は急いで追いかけた。
しかし、やっぱり追いつけない。
無理かもって思いながら、ずっとトボトボまっすぐ歩いていた。
その時、誰かにぶつかってしまった。
「す、すみません・・・」
「いえ、こちらこそ・・・。」
かおを合わせたとき、いたのはさえだった。
僕は、嬉しすぎて泣いてしまった。
「す、すみません!そんなに痛かったですか!?・・・というか、もしかしてあなたは、私が目を覚めた時にいた男性ですか?」
「そうだよ」
「こんなところで会うなんて、偶然ですね。そういえば、質問をしたかったことがあるんだけど・・・」
そんなとき、さえのケータイが鳴った。
「す、すみません」
さえは、多分彼氏とでも話してるんだろうと思った。
「あの、用事ができたので・・・、電話番号教えますから、あとで電話ください!それでは・・・」
「え、あの、ちょ・・・」
さえは走っていってしまった。しかし、これは大チャンスである。
電話番号は知っているが、なぜか俺の知っている電話番号とちがかった。ケータイ、変えたのかな。
とりあえず、さえを見つけたことだし、帰ろうかな。