悩みに悩んで、考えたのに気持ちがわからない……。



「え?」


昨日のあれ以来にやっとのことで春日と話したのは、放課後の話し合いの時だった。


春日は俺を睨み、尖った声で言う。



「だから、昨日のことはすべて忘れてって、言ってんの」

「昨日のって、お前が……」


バシッ

春日が投げた分厚い本の角が、俺の顔面に見事命中。



「い゛っだぁああぁ!!」


あまりの痛さに、顔を押さえしゃごみこんでしまう。


だって、本の角だぞ?

普通に何百ページは越える本の角がだぞ?


罰ゲームに等しいっちゅうの!!



「それ以上言ったら、ぶっ殺す!!」


と叫び、春日は別の作業へと行ってしまった。



こわ……。


本当に昨日、泣いてた奴と同一人物かよ。



春日に、わけがわからなく変に意識してる自分が、馬鹿みたいに思えてくる。


つーか、いてぇし……。


絶対真っ赤になってんな、と思いながら、俺は作業を進めたのであった。

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