BRAVE～勇気～

さっき秋月の隣に居た男を思い出す。

「俺よりもかっこよかったし…。」

秋月が二股をする訳がない。そんな女の子じゃないって言い切れる。
だったらあいつと付き合っていた場合…？

「俺とは付き合っていないってことだよな…。」

そう考えるだけで涙が出そうになる。
で、でも付き合ってって言った時、はいって言ったしなぁ…。
俺の訳が分からない葛藤が続く。

ヴーヴー…

メール？

携帯の画面を見ると里香からの電話。

「もしもし？」
「こぉらぁー高倉ー！！！！！！！！！！」

キーーーーーーーーン…

里香の声でグワングワン頭を抑えながら、また携帯を耳につける。

「いきなり何だよお前は。」
「うるさい！千鶴を泣かせやがって！！」
「泣かせ…。」

やっぱりあの後泣いてたのか…。

「聞いてんの！？とにかく！今からあんたは学校へ行け。」
「はぁ？何で？」
「何でも！千鶴が高倉を呼んで欲しいって私に電話があったの！！」
「秋月が…？」

俺はその言葉を聞き、別れ話という単語が思い浮かぶ。