BRAVE~勇気~

「秋月…。」

何かあった?

そう言おうとしたんだ。だけど…

「あぁー居た居たー!もうどこ行ってたんだよ!探してたんだよ?」

俺と知らない男の声が被った。

「まったく…買い物終わったから帰るよ!あれ?この人…。」

そいつは俺の顔を素っ頓狂な声を出しながら見ている。

「誰こいつ?…お前秋月のなんだよ?」

俺はその男を睨みながら、低い声で言う。

秋月に怖がられるかも。でも抑えきれない感情。

「俺?俺は「帰ろ龍夜。」
「え?」

秋月はその男の腕を取り、驚いた顔の男を引っ張っていく。

「お、おいっ秋月…!」

俺は、ここで秋月に帰られるとは思わなかったため、焦った声が出た。

ってか俺よりもそいつを取るの?

秋月がまた振り向くだろうと淡い期待を抱いていたが、歩みを止めなかった。

その男は一体誰…?

その事だけが頭を渦巻く。