BRAVE~勇気~

「何笑ってるんだよ…。」
「あっごめん…。」

私はまた黙ってしまう。
だって高倉がまたさっきの怖い顔をしていたから。
さっきの勇気はどこへやら…。

「で、話ってなに…?」
「あの…。」

いきなり本題かよ!?まだ心の準備が…!!

なんて心の中で突っ込んでも当然相手には伝わる訳がなく。

高倉が今か今かと私の次に続く言葉を待っていた。

「あの…ええっと…。」

でも勇気なんてすぐ出なくて。
私はええっと…を連発していた。
その様子にはぁとため息を吐く高倉。
そして一言…

「あのさっき会った男と付き合ってたんだ?」



「…はい?」
「とぼけても無駄。さっきの買い物に居た男と付き合ってるんだろ?そして俺とは遊びで付き合ってんだろ?だからさっき鉢合わせしちゃったから俺と別れる為に俺を呼び出した。だろ?」
「ええっと…。」
「まぁ俺は秋月と別れたくないけど…秋月があの男と付き合っていきたいなら…嫌だけど…。」
「だ、だから…!」
「あぁ言いたくねぇ!この後なんて!俺せっかく勇気出して告白したのに…。」
「まっ…!」
「良しっ決めた!やっぱり俺別れたくない!さっきの男と別れて俺の彼女になって!」
「聞けぇー人の話ー!!」