BRAVE~勇気~



あれから一時間が経った。
窓の外は夕暮れでグラウンドが赤く染まっていた。
自分の教室の椅子に座っているのだが来る気配がしない。

いきなり呼び出したのまずかったかなぁ…?
それともやっぱり愛想尽かされちゃったりして…。

はぁとため息を吐きながら机に突っ伏した。

「高倉…。」

ダンッ!

「!?」

「はぁ…はぁ…秋月…。」
「…高倉…。」

大きな音を出しながら開いたドア。それを開いたのは高倉だった。

「里香から連絡あって…。」
「あぁ…。ごめんねいきなり呼び出しちゃって。」
「大丈夫だけど…。」

まだ息がはぁはぁと言いながら、前髪をかきあげる高倉。
その様子はとてもカッコ良く。
胸が今でもすごい速さで動いているのにまたさらに速くなる。

大丈夫だろうか自分。
死ぬかもしれないな。

そんなことを思う自分に少し苦笑いが出た。