その後も色んな人に「じゃあ俺は?」って言われて、答えられなかった人には、物凄く申し訳なく感じた。
そして、名前を覚えるまでコウタ君にず~っと教えてもらっていた。
コウタ君は、多分、物凄く面倒見が良いんだと思う。
身長も高いし、顔も整っている。
学校でも「コウタ君格好良い」っていう声を聞かないでもない。
でも、やっぱり一番聞くのは「優輝くん格好良い」という声ばかりだった。
そんな優輝は私がコウタ君に名前を暗記させられている間、悠莉とずっと話ていた。
「じゃあ、コイツは?」
「えーっと…ハルキ…君?」
「あたり」
やっと最後の一人まで覚えられたところで、
「じゃあ、俺は?」
左側から優しい声が聞こえた。

