「おっ、杏里も来たのか」
そう…
柄の悪い少年たちとは、優輝たちのこと。
入り口の前で10数人の男たちが地面にしゃがみこんで、煙草をふかしたり、携帯をいじったりと、それぞれのことをしている。
悠莉や優輝たちと出会う前の私なら絶対にその人たちの目の前は通らなかったに違いない。
まぁ、実際、今も回りの人たちは優輝たちを避けて道を通っている。
「ここ、私たちの溜り場みたいなとこなんだ」
「へ、へぇ~」
悠莉はゲームセンターの入り口を指してそう言った。
店側にしては、迷惑なんだろうなぁと思ったのは口に出さないでおこう。

