しばらくすると、一本の電話が掛かってきた。
子機の受話器を取り彼女は電話に出た。

『もしもし、菜奇。』

電話の相手は母だった。

『お母さん、今日遅くなるから。』

「うん。分かった。灸兄が珍しく帰ってるけど…かわろうか。」

『あぁ、いいわ。冷蔵庫の中に晩ご飯の準備してあるから、温めて食べてね。それと…早く寝るのよ。』

「はぁ〜い。」