「まーまー。一緒に探そうぜ。」

「先生、ありがとう!」

「おー。それで、どんなボールだ?」

「ラグビーボール!」

「……おまえら、そんなんでサッカーしてたのか…そりゃあ飛んでくわな。」

「このへんかな?……うっわあ!うわあうわあ、すっげー!
みんな見てくれよ!ここの桜、すっげー!ばくだんみたいだ!」

「ばくだん……?ぼんぼりの間違いじゃないのか?」

「あっ、それそれ!すげーなーっ。これって八重桜だよな。」

「おっ、よく知ってるな。」

「うん!植物図鑑見るの好きだから。でも本物は初めて見たんだ。
こんなに綺麗なもんだとは思わなかった!もっと濃い色だと思ってた。」

「普通の八重桜は赤ピンクって感じの色が多いよ。でもここのは、普通の
桜みたいに淡いピンク色だろ。なんか、どかんって咲いてるのに、ぼや
っとした色なのが、気に入ってるんだ。なんっか、いいよなあ!」

「ボキャブラリーの少ない会話だなあ。確かにどかんっでぼやっだけど。」

「普通の桜よりいいな。小崎先生好きそうだな、こういうガツンとした桜。」