「今年の夏も楽しみにしてるから」


「俺がおまえの分まで勝ってるよ

だから楽しみにしとけ！！」


「……うん」


あたしの夏は終わっても村瀬の夏はまだまだあるんだよね


少しうらやましかった


「おまえもう受験生なんだもんな

俺もいつかはそうなるんだよな」


どんなに強くても終わりはくる

それが地区大会でなのかインターハイなのか

あたしたちはそれでもインターハイに一番近いところまで行ったんだよね


それでよかったんだ


「そうだね…

あんた受験生とかウケるわ」

村瀬なら絶対勉強しないでしょ


「なんか勉強してる自分が想像できない」


あたしも……


明日からのあたしはなにをしているんだろう

明日のことなのに想像もできない


「あたしも……」


「ちょっとずつでいいんじゃねーの??

あっ、着いたか

じゃーな」


「バイバイ」


村瀬のおかげでなんか楽になれたような気がした

あたしの夏は終わったけどこれからは村瀬のこと応援する

勝手に村瀬にあたしの夢を託すから


それくらい良いよね??


これからまたあつい夏が始まるのかな