青空の下



この回先頭の2番の宇野くんがショートゴロで1アウト


村瀬が右打席にたった

ここまでくれば柳も力でねじ伏せてくる


エースとエースの戦いだよ


一球目、二球目と村瀬はファールにした


もう少しでタイミングはあうと思うんだけど…




───────────パシっ


粘ったフルカウントの7球目


村瀬のバッドがふうを切った


阻止ですキャッチャーのミットに収まる柳のボール


村瀬は悔しそうにベンチに戻っていった


村瀬の次に打席に入ったのは4番の北川


そういえば北川もすごいやつなんだっけ?


──────────カキーン!!


初球を打つもセンターフライ



試合終了を知らせるサイレンが鳴り響くグラウンド


「なんか複雑だよね(笑)

まぁどっちでも良いけど」


あたしは野球観戦出来たから良いけど


「工業が第一代表で桜宮が第三代表とかでいければいいけどね」


試合が終わってからは沙羅が柳にちょっと会いに行くって言ってたから入り口のところで柳が出てくるのを待っていた


「え?なんでおまえらいんの??」

入り口から出てきた柳の第一声はこれだった


「いたら悪い??」

ほんとこの二人は(笑)


「悪いとは言ってねーだろ??

打席入ったとき、なんかおまえみたいな声聞こえるなと思って…

そしたら相原みたいな声もするしさ(笑)

気のせいかと思ってたけどなんかいるしさ(笑)」


別に野球見たって良いじゃん(笑)


「だってきっと夏は応援できないからさ(笑)」


たしかに……


夏は全校応援だからほかの学校の応援は難しいかも


夏休みでも今年はきっと課外ばっかだろうし


「はいはい

ありがとうございます」


やっぱ思ったけどあたしって邪魔??

「てか、2人で話したら??

あたしあっちで待ってるし(笑)」


これでも気を使ったつもり



「それはだめ!!

もしあたしたちがここで殴り合いでも始めたらどうすんの??

止めるの莉衣しかいないじゃん」


殴り合いはないでしょ



「だよな(笑)いつ沙羅が暴走するかわかんねーし


それにもう特にはなすことねーし(笑)」


そうですか……(笑)


「じゃあ帰ろっか」

「そうだね?」