「私は、私は…
 翔也がほかの人に取られちゃいそうで
 怖い。しかも、顔も知らない人に…
 だけど、こんな私のわがままで
 翔也の将来を決めちゃいけないと思う。」

今のが私の本音だった。

「そっか。今まで黙ってて
 本当にごめんな。」

翔也はそう言うと、私をぎゅっうと

抱きしめてくれた。

翔也の家の甘い匂い。

何か、落ち着いた。