Secret・family


今は授業の3分前。

もうみんなほぼ席についてる。

だから、翔也の周りも誰もいない。

話しかけるんだったら、今がチャンス。

「ねぇ。翔也。」

「ん?」

「何か隠し事してるでしょ。
 何のこと?」

翔也の顔がちょっとひきつった。

「えっ…」

「だって、昨日から、いろんな人に
 翔也のこと聞いたって聞かれるんだもん。」

「マジかぁ。」

「何のこと?」

「それは…」

翔也がそう言おうとしたとき

ちょうどチャイムが鳴った。