なんとかママとパパに落ち着かせてもらった私はこの間お世話になったばかりの病院へ再び足を運ぶことになった。
今はすべてが怖い。忙しそうに歩き回る看護婦さん、ガリガリに痩せてしまってる女の子、酸素のチューブが繋がってるおじいちゃん。



「黒田さーん。診療室②へどうぞ。」診療室②とプレートがついた部屋へ入ると、私のと思われるレントゲン写真が何枚か貼ってあった。

「黒田さん、落ち着いて聞いてくださいね。これはあなたの肺です。」と言われて私は視力だけは良い自慢の目を丸くした。
理科のヒトの体について興味を持っていた私は、レントゲン写真に写しだされた自分の肺がおかしいことなんて一目で分かった。肺胞と呼ばれる肺の組織が明らかに少なかった。少ないというか、約半分が潰れていた。





ママは泣き崩れていたが、私は泣くこともできずしゃべることもできず、ただ茫然としていた。