次の朝。彩華といつも通り学校に行くはずだったけど、階段を上り下りするだけで息切れしてしまうようになった私は、ママに学校まで送ってもらうことになった。



車内では、私が好きな曲がかかっていたけど今日は何かが違う気がした。それが何なのかと聞かれたら答えられないけど胸騒ぎがするっていうか…………いつもの私じゃない気がして怖かった。

その日は気分が優れなかったから、1日の大半を保健室で過ごした。休み時間の度に彩華は保健室に来てくれたし、クラスの子も私を心配してくれた。





帰りもママに迎えに来てもらった私を待っていたのは、ママが開けたであろう封を切ってある1通の手紙。ママは「咲羅に意味が分かるかどうか、ママには分からないけど…………とりあえず読んでみて」と真っ赤に目を腫らして言ってくる。


そこには“検査の結果”と記された紙が、綺麗に折り畳まれて入っていた。




“黒田咲羅様の検査結果

外傷も特になく、脳に損傷もありませんでした。ですがもう1度、当病院までお越しください。”と書いてあった。ママとパパが「病院行こっか」なんて全てを悟ったかのように言うから私は怖くなって泣いた。後から思い返せば、その時にはもう気づいていたのかもしれない。


─────私の命はもう長くない─────って。