広がる景色の中に、知り合ったばかりの、見栄えだけは軟弱な男にそっと近づく。



「…!おっそいよーっ、かなり待ちましたけど。」



へらへらと緩む頬で笑顔を作りながら見上げてくる男の名は深雪。


黒崎、深雪。


こんな風貌とは、間逆のヤンキーの頭を努める喧嘩男。



「…別に。絶対くるとは約束してないけど。」


「真崎、釣れないねー?こんないい男がいんのに♪」