涙の温度




「深…雪ィ……」


「何?」


「…ありが…と……!」


「うん。どーいたしまして♪」



9年分の涙を流し終わるとカラリとした、透き通った気分になった。


青空が妙に青くて、あたしの中にしみ込んでくる気がした。


風も雲も太陽の光さえも。


すべてを体に取り込んだようだった。