「苦しかったろ…?でも、止まない雨はないから。明日は晴れるって。」 にっこりと頬杖をつきながら笑う深雪の笑顔に涙が止まらなかった。 つらかった……9年間。 殴り、蹴ることが愛情表現だった父親。 一切無関心だった母親。 両親のせいで孤独に育った可哀想な妹。 そして、知らぬまに非情になっていた自分。 うちは、冷えきった家庭だったから、こんなに優しい人に出会うなんて神様が光をくれたんだろう。 《黒崎深雪》という名の光を…。 今世界中に届くくらい、 《ありがとう》を伝えたいよ……。