「そっか…。気付いてたんだ。」 「うん。でも、隠すくらいつらい気持ちは、本人から言ってもらわなきゃ俺らはどーにもできないから。」 そう言って、優しくにこりと笑った。 その時、あたしの頬を涙が流れた。 温かくて、温かくて。 涙なのか、疑ってしまうくらい。 凍り付いていた冬が春の訪れと共に、柔らかく流れだすように。