誰もいない路地に差し掛かった時、

後ろから足音が聞こえてきた。

・・・

まさか、痴漢?

・・・

いやいや、

そう都合よく現れる事もない。

…そう自分に言い聞かせて、

また歩き出した。

・・・

そう思いたかったのに、

足音は増々近づいてくる。

私は駆け出した。

・・・

とにかくこの恐怖から逃れたい一心で。

・・・

そこの曲がり角を行けば、

また人通りの多いところに出る!

私は急いでその角を曲がった。

・・・

ドンッ!!

・・・

勢いよく通行人にぶつかり、

私はその場に尻もちをついた。