翌日。

手術の朝。

赤城さんが病院にやってきた。

「先生、おはようございます」

「おはようございます。

体調はいかがですか?」

・・・

オレの質問に、

にこやかな表情を浮かべて、

赤城さんは言った。

「とってもいいです。

…先生」


「なんですか?」


「昨日、私が言ったこと、

覚えてらっしゃいますか?」


「・・・ええ」

・・・

忘れたくても、

忘れられるわけがない。

「よかった・・・

先生の手で、

完璧な私にしてくださいね?」

「・・・」

何も言い返せなくて、

黙ったまま頷いた。