・・・

帰りの車の中で言われた。

『今までずっと告白できなかった。

今の関係を壊したくなかったから。

他の女とも、千波に

ヤキモチを妬いてもらいたかっただけで、

でも、お前はちっともそんな

素振りはなかったけど…

そうだ。千波は知らないだろうけど、

小さい時、千波に守ってもらってたことが、

ずっとコンプレックスだった。

いまだに引きずってるし・・・

どんだけ肝っ玉小さいんだよ?って、

自分でも思うけど』

そう言って笑い話に変えちゃったけど、

・・・

あんなに完璧そうに見えてた秀明にも、

コンプレックスはあったんだ。

・・・

私たちって、

案外似た者同士だったんだって、

実感した。