すると、 そこには息を切らせた和樹がいた。 「和樹……」 「……」 無言であたしに近づいて、 ギュッとあたしを抱き締めた。 「大丈夫か? 怪我してないか?」 あたしを抱き締めながら聞く。 和樹の優しい声に胸がキューっと締め付けられる。 「ぅん…大丈夫……」 痛いくらいに抱き締めてくる和樹の腕から和樹の温もりを感じた。 安心する、この感じ。