年下王子に溺愛されて







そうだよね。


私だって諦めたんだもん。
あの二人はお似合いだから、って自分で気持ちは閉じ込めようって思ったんじゃん。


…今日、部活誘われて、いつのまにか自分の中でちょっと期待しちゃってたんだ。



私、馬鹿だよっ。



桃ちゃんに勝てるはずないのに。


怜也が振り向いてくれるはずもないのに。


期待しちゃうなんて。



私は体育館から飛び出した。


もう、涙が止まらなかった。





――――一瞬、怜也が驚いた顔でこっちを見た気がした。


でももう、期待なんかしないから。ごめんね、怜也。