ラベンダー畑おぼえてる?

「か……………杜若君」

「か、か、杜若君?」

「今日も朝から寒いですね」


 るいは奈緒に分からないように雅明にアイコントを送った。

 そして、それを見た雅明は頭で理解したのかわずかに頭を縦に振る。


「そ、そうですね、る………、小島さん」


 とりあえずるいと雅明は親しくないように敬語を使い、この場を乗り切ろうする。

 しかし、慣れないためか、二人は自然と身体に力が入り、顔も変に引きつっていた。


「…………お店の手伝いしているなんて偉いですね」

「こ、小島さんこそ受験を頑張られているんでしょう?」

「そんな事は………」

「すごいですよ……………、すごい………………」

「・・・・・」

「・・・・・」


 互いにぎこちない会話で話は止まり、相変わらず奈落は雅明を睨んでいる。