ラベンダー畑おぼえてる？

「るいちゃん、お帰り」

「・・・・・」


　今日の分を終えた野田も進路相談室から出てきて、二人に一べつすることなく職員室に戻って行った。

　一方、るいと奈緒はジュースを飲むため教室に戻り、教室には10人弱ほど残って勉強中。

　そのため、二人はジャマにならない場所で腰を降ろし、一息いれた。


「お疲れ様ですご主人様」

「うむ」

「高級チョコチップ入りクッキーの詰め合わせでございますご主人様」

「よし！」

「ココア、お開けましょうかご主人様？」

「うん」


　奈緒はココアを受け取ると缶のフタを開けてるいに差し出す。奈緒のその顔は100点と言わんばかり笑顔。


「ウザ子、第一秘書になる日も近いぞ」

「はい！」


　教室にまだ勉強に残っていた生徒は二人のやり取りを聞いていたが、黙々と勉強に励んでいた。