「仕方ないな〜。あかねちゃん、今からそっち行くから動かないで待っててね」


 運動が得意な麻理は木にひょいひょいと軽々と登り、あかねのもとへ。

 あかねのとこに着いた麻理はあかねを抱きしめ、あかねは強い力で麻理を抱きしめた。


「やっぱりお二人さん、似合ってる〜」


 奈緒はそう茶化すが、あかねは冗談を返す余裕すらない。

 奈緒はるいがケガしないように木から離れ、麻理は自分の身長以上の木の上から何の迷いもなしにジャンプ。


「ふ〜ぅ」


 どこもケガしなかった麻理は一安心。先ほどパニクっていたるいも落ち着きを取り戻した。


「あかねちゃん、高いの苦手だったの?」

「ウチな、ウチな、…………くぅ……」


 あかねは先ほどの恐怖が残っていたようで、まだ上手く話す事が出来ない。