ラベンダー畑おぼえてる?

「う〜ん、もしかしてあかねちゃん外に隠れたのかな?」


 ただただボーと待っている麻理がそう言うと、奈緒もそうじゃないかと考えた。


「ねえ麻理ちゃん、私らもるいの手伝いしようか?」

「そうだね。せっかくの夏休みを無駄にしたくないしね。お〜いるいちゃん」


 麻理は大声でるいを呼んだ。しかし、るいは一切反応する事はなく、黙々と捜している。


「聞こえなかったのかな?るいちゃん…………、るいちゃ〜〜〜ん」


 麻理は何度もるいの名前を呼ぶがるいは無視。いつもなら天使のような笑顔を見せるが、この時ばかりは見られなかった。


「さっき奈緒がブス子にするから怒っているんだよ」

「違う。きっと麻理ちゃんが悪いんだよ」


 責任を互いに押し付けあい、その話を重ねれば重ねるほど雲行きは怪しくなっていく。