ラベンダー畑おぼえてる?

「…1……2……3………」

 鬼になったるいの声はとても小さく、今にも消えそうな声。

 近くの茂みに隠れていた奈緒はこそっとるいの様子を見ており、耳をすませたたが、数を数える声が聞こえない。


「………もう………いいかい?」


 数え終わったるいは、捜す合図を送るが小さすぎて伝わっていない。


「………も、もういいか…………い!」


 るいは泣きそうになりながら大きな声を出し、ようやく三人からの返事が返ってきた。


「………よし」


 意気揚々と探そうとした時、るいは襟元を突然掴まれた。慌てて後ろを振り向くと雅明がそこに立っていた。


「よっ、るい」

「…………まーちゃん」

「まーちゃんはやめろ!」


 雅明はるいに大きな声でそう叫ぶとビックリしたのか、るいは怖さのあまり泣き出した。