ラベンダー畑おぼえてる?

 勤は続きが気になって手紙を覗きこもうとするが、あかねの何かしら雰囲気に呑まれて近づけない。


「『あとオダマリ!…………』もうこの辺でええかな………」

「あの…………」

「何よ!」


 不機嫌な顔で勤を見るあかねは、無意識に手紙を見せないようにし、覗きこめない勤は困り顔。


「お姉ちゃんの事を聞きた………」

「オダマリ!」

「・・・・・」


 そう言ったあかねはそれ以上何も言わずに奈緒の手紙をしまい、次はるいの手紙を手に取った。


「えーーー、『10年ごのわたしへ。なおちゃんとなかよくしていますか?わたしはなおちゃんが大スキです。しょうらい大きくなったらけっこんし………』コレももうええか。めんどい」

「・・・・・」


 るいの手紙は奈緒の事しか書いておらず、10年後の夢は忘れたのか全く触れてはいない。