しかし、家には勤の他にあかねしかおらず、かといって大声を出すわけもいかずにしどろもどろ。

 あかねはわずかばかりニヤついてしまい、それがバレないようすぐに真顔に。


「それからなんやけど、ウチ今でもあのお菓子の缶に付いているシールを無意識に剥がすクセがあってな………」

「・・・・・」

「るいにジュースおごってもらったのもあってピーンときてん」

「・・・・・」

「勤…………どうなん?さっきから何も喋ってないけど…………」

「い、いえ、………いや、あの………」

「勤、何言ってるかわからん!ちゃんと言い!」

「………………し、しら」

「ならお菓子の缶って何でわかるねん!!ウチが納得出来る説明出来るならしてみー!!」


 勤は何とか自分の主張を伝えようとするが、舌が上手く回らず、目は完全に泳いでいて頭も回らない。