ラベンダー畑おぼえてる?

 スイーツはパフェみたいな容器にアイスが三つもあり、二つのアイスは少し溶けている。


「ねえ、奈緒」

「ん?」

「あかねちゃんと調べたラベンダー畑なんだけど、結局なくって」

「なかったんだ…………」


 麻理の記憶はより鮮明になっていき、スイーツを食べる手はどんどん遅くなっていく。


「るいちゃん、コレ食べる?」

「うん。あ、何か企んでない?」

「そんな事…………」

「そう………?なら、もらってあげる」


 疑いながらもスイーツを受け取ったるいは溶けた部分を先に食べ、奈緒はるいを見ることはなく、目線は窓の外。

 その後の二人は、るいはスイーツを食べるのに集中し、奈緒は麻理の事を思い浮かべて上の空。

 そのため、二人の間には会話はなく、周りは話し声や笑い声があったが、その場だけ時間が止まったかのように静かになっていた。