ラベンダー畑おぼえてる?

 少し時間をかけて何とかエレベータのボタンを押した奈緒。すぐにドアが開き、吸い込まれるようにエレベータに入った。

 それを見たるいはひとまず一安心。しかし、それから30分ほどその場で待ったが、奈緒が降りて来る気配がない。


「………………まだ………あ!」


 右手にはきんちゃく袋、左手には手紙セットらしき物を持った奈緒が走ってるいのもとへ。

 よほど急いでいたのか、髪は行きより乱れていて、息もさきほどより荒くなっていた。


「ご………ごめ………ん」

「…………奈緒……ちゃ………大丈夫?」

「うん………、もう大丈夫だよ!行こうか、るいちゃん!」

「…………歩いて行こう」

「で、でも………」

「…………歩く!」

「う、うん……」


 るいに圧倒された奈緒はきんちゃく袋を左手にやり、仲良く手を繋いでるいの自宅へ。