ラベンダー畑おぼえてる？

　しばらく歩いた後の分かれ道、かつてお寺が建てられていた事を書いていた石碑の所で、奈緒はるいにベタベタするのを解いた。


「じゃあねるいちゃん」

「え？奈緒、帰り道こっちじゃ……」

「今日用があるの忘れてた！また明日ね」

「う、うん……」


　不覚にも寂しい感じたるいは、その思いを取り去るように手をバタバタした。


「アレ、アレ、アレ〜。もしかしてるい、彼女と離れ離れで寂しいちゃうの？」

「さ、さ、さ、寂しくなんかないよ。あー、奈緒から逃れてせいせいした」

「本当〜？一生会えんわ………」

「………あかねちゃんどうしたの？」

「何でも……、じゃあウチも今日用あるさかい、帰るわ」

「うんさよなら。また明日」


　あかねは奈緒が行った道とは別の方向を歩く。るいはあかねの言葉が気になったが、受験勉強のために家に帰った。