夜。辺りは真っ暗で、月の光さえ雲に覆われましまい、入ってこない。唯一の光が街灯だが、その光は薄暗く、あまり頼りにはならなかった。

辺りはシンと静まり返る。夜の公園ほど、不気味なものはない。だからそんな時間帯に来る客人など無いに等しい。


だが、ジャリ、と土を踏みしめる音がした。


その足音の正体が薄暗い光に晒される。それは、ミクの彼氏だった。

男は真っ直ぐと昼間ミクと一緒に座っていたベンチに向かう。だがそのベンチは生憎、街灯
の光が入ってこない。

夜目がきいてきた彼は、辺りを見渡し、ミクが来ていないかキョロキョロと視線を動かし確認する。