風が吹き、彼女の髪がぶわりと靡く。公園内にある木々がざわめき、葉の擦れる音が静かな敷地一帯に響き渡った。雲に隠れていた月が顔を出し、女を薄く照らす。 「なにせ」 彼女は不適に微笑んだ。 「─────────────お前を理解してやれるのは他でもない、アタシだけだからね」 【END】